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今回から複数の年金を受給できる場合についてです。
年金には「1人1年金の原則」と呼ばれるものがあります。
この原則により支給事由が異なる2つの年金を基本的に1人が同時に受給することができないという仕組みになっております。ただし、一定の条件の下においては支給事由が異なる2つの年金を同時に受給できることになっております。今回は老齢基礎年金と同時に受給できる年金について考えます。
【老齢基礎年金+α( 65歳以上 )】
⒈ 老齢基礎年金+老齢厚生年金
「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」は同時に受給できます。
こちらは国民年金の1階部分に加えて厚生年金保険が2階建ての部分であるという性質があるため、簡単に理解できると思われます。国民年金と厚生年金の最もメジャーな組み合わせではないでしょうか。
⒉老齢基礎年金+遺族厚生年金
「老齢基礎年金」と「遺族厚生年金」も同時に受給できます。
65歳以上が前提となるので、配偶者が亡くなった場合にご自身の老齢厚生年金よりも配偶者の遺族厚生年金の受給金額が多くなる場合( ご自身の老齢厚生年金 < 配偶者の遺族厚生年金 )にはこの組合せを選択した方が良い、という考え方になります。一般的に多いケースとしては夫が先に亡くなり、妻が遺族厚生年金を受給するパターンでしょうか。
⒊ 老齢基礎年金+老齢厚生年金+遺族厚生年金
「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」と「遺族厚生年金」を同時に受給できます。
ただし、こちらはすべてが満額で受給できるわけではなく、次の計算式によります。
老齢基礎年金 +( 老齢厚生年金 × ½ )+( 遺族厚生年金 × ⅔ )
こちらは配偶者が亡くなったとしても、ご自身の現役時代の収入が相当程度あったことにより報酬比例部分を多く受給できる場合に起こりうると思われます。
⒋ その他
➀ 老齢厚生年金額の計算にあたっては、配偶者の加給年金額がある場合において配偶者の加給年金額は除いて計算されます。
② 遺族厚生年金額の計算にあたっては、経過的寡婦加算がある場合において経過的寡婦加算を含む金額に⅔を乗じることになります。
➂ ⒈~⒊のケースにおける優先順位は、
・⒈「老齢基礎年金」+「老齢厚生年金」 が優先支給
⒈において本人の「老齢厚生年金」の金額が⒉ or ⒊ の「老齢厚生年金」の金額より低い場合、
・「老齢厚生年金」の金額と⒉ or ⒊ で多い方との差額が遺族厚生年金として支給
【〔( 老齢厚生年金 × ½ )+( 遺族厚生年金 × ⅔ )〕ー( 老齢厚生年金 ) 】
されることになっております。
今回は65歳以上の場合で老齢基礎年金と同時に受給できる年金について触れました。選択肢が多い分ややこしいです(´・ω・`)受給することになった場合には遺族厚生年金が所得税住民税非課税となるので額面のみで判断せず、手取りでシッカリ計算した方が良いと思っています。次回は「障害基礎年金と同時に受給できる年金」に関して書きたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました!
【参考文献】
・理解しやすい年金講座 公的年金のしくみ / (株)服部年金企画 / 2021年4月1日
・’20~’21年度合格ターゲット1級FP技能士 特訓テキスト 学科 /
きんざいファイナンシャル・プランナーズ・センター / (株)きんざい
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